コインになった瀬戸大橋:記念500円硬貨のデザインには主塔がことさらに巍然屹立する。吊り型式の橋梁(斜張橋や吊橋)の合計10本の主塔たちが逞しくもあり、遠くから視認できるモニュメント性にも魅了される。
☆コインになった橋梁:瀬戸大橋
世界最大級の鉄道道路併用橋の瀬戸大橋は我が国有数の長大橋が連なり、さながら橋梁工学の実大展示館でもある。昭和60年代に相次いで竣工した長大橋6橋(下津井瀬戸大橋(吊橋)、櫃石島橋(斜張橋)、岩黒島橋(斜張橋)、与島橋(トラス橋)、北備讃瀬戸大橋(吊橋)、南備讃瀬戸大橋(吊橋)は、当時の最先端技術が投入され、我が国の長大橋梁工学の礎となっている。
当時より長大吊橋のランキングが話題になっているが、通例中央支間(center span)の長さにて競われる。中央支間940mの下津井瀬戸大橋は、現在では国内第6位であるが、我が国の長大吊橋ブームの先駆けであり、その技術は継承され10年後世界最大の中央支間1991mを誇る明石海峡大橋の開通を迎える。この瀬戸大橋に屹立する長大橋群を刻印した開通記念500円硬貨が昭和63年(1988年)に発行されたが、その竣工が国家的慶事として歓迎されたことを物語っている。
☆参考記事:
☆EPISODE05 長大吊橋のダイナミズムとメカニズムをさぐる
-本四架橋の長大橋梁は、さながら実大橋梁展示館-
https://www.doboku-watching.com/index.php?Kiji_Detail&kijiId=2227
投稿日時 2024-06-06 20:41:30
投稿:吉川弘道