土木構造物(Civil Engineering Structures)は、建設目的、用途、仕様により多種多様の構造形式を採る。施設として分類すると、鉄道施設、道路施設、エネルギー施設(電力、ガスetc.)、ダム・河川施設、上下水道施設、空港施設のように列挙することができる。構造形式としては、橋梁・高架橋、平面/曲面構造物、空間構造物、搭状構造物、などがあり、建設位置は、地上、地下、海岸/海洋、河川、山岳地域など場所を選ばない(古くは、都市土木/山岳土木/海洋土木のような呼び方もある)。さらには、使用材料で見ると、鋼材、コンクリート、土質/岩盤、木材、複合材料など多岐に亘る。 ここでは、土木構造物の入門講座として、鉄道・道路・ダム・空港・橋梁・河川構造物・地下構造物を紹介したい。これらの多くは、線状に形成されるもの、平面的に広がるもの、巨大造形物などがあり、其々の画像にてその雄姿を凝視してもらいたい。これらの機能と役割をきちんと理解することは重要であるが、一方では、理屈抜きにそのフォルムを愛しむことも大切であると考える。
吉川弘道(東京都市大学 教授)
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