土木の不思議:仲間外れはどれ? Part2*鉄筋コンクリートvs.無筋コンクリート
☆☆土木の不思議:仲間外れはどれ? ☆☆
Part2*鉄筋コンクリートvs.無筋コンクリート
☆問題:写真1は、小型供試体による曲げ試験終了後の9体の供試体を示している。この中で、一つだけ仲間外れがある。それはどれか?(答えは、最後にて)。
☆鉄筋コンクリートと無筋コンクリート:
鉄筋コンクリートは、適当量の鉄筋(引張鉄筋)により、初期ひび割れ以降も構造体として機能する。初期ひび割れの後、数本の曲げひび割れが、(正の曲げの場合)下縁より上方に進展する。鉄筋量の増大によって、曲げ耐力は増大する。一方、 無筋コンクリートは、初期のひび割れとともに崩壊に至る。ひび割れは、1本のみが観察され、これがそのまま破断面となる。
☆答え:最上段右上。
鉄筋コンクリート部材の載荷試験では、通例曲げ区間に複数本の曲げひび割れが下縁側から発生するが、無筋コンクリートはただ1本のひび割れにて崩壊する。従って、この9体の供試体では、右上の無筋コンクリートが仲間外れです。また、いずれも試験終了後(除荷後)の画像であり、適量の引張鉄筋があればある程度ひび割れは閉合するが、無筋コンクリートの場合はぱっくりと破断面となる(載荷点と両端支点は模型です)。
#土木の秘密 #土木の不思議
投稿日時 2022-06-11 22:04:00
投稿:東京都市大学 コンクリート研究室