印旛沼の大和田機場は、地域を洪水被害から守る最後の砦である
千葉県の印旛沼は、江戸時代から、治水・利水を目指して開発が進められたものの、事業は次々と挫折した。
昭和21年、戦後の食料増産等を目的に印旛沼の干拓、かんがい排水事業が開始され、その後経済成長に伴い工業用水等の需要が高まったことから、昭和38年、印旛沼開発事業としてスタートした。
印旛沼開発事業は、近代的な工法と大型機械の導入により、次々と難問を克服して昭和43に完成し、印旛沼は、治水はもとより、農業用水、工業用水及び水道用水の多様な利水機能を持つ沼へと生まれ変わった。
印旛沼は、農業用水、工業用水及び水道用水が安定的に取水できるように水位管理を行っている。また、洪水時には、印旛機場(排水量92m3/s)を運転して、洪水を利根川に排水する。
それでも印旛沼の水位が下がらない場合は、最後の砦である大和田機場(排水量120m3/s=電動モーターポンプ30m3/s×2台+ガスタービンポンプ15m3/s×4台)を運転して、洪水を花見川を通じて東京湾に排水することで、地域を洪水被害から守っている。
4月6日の一般交換では、ガスタービンポンプ(排水量15m3/s)1台の試運転が行われた。低騒音で周辺の生活環境に配慮した施設であった。
【写真】1枚目:全景、2枚目:運転状況(平成31年4月6日大和田機場一般開放にて投稿者が撮影)
#ぶらりインフラ探訪記
【出典】:独立行政法人 水資源機構ホームページを加工して作成
http://www.water.go.jp/kanto/chiba/inba/inbanumakaihatsumain.html
投稿日時 2019-04-21 21:09:00
投稿:佐藤祐明