水戸市低区配水塔 ー近代水道のシンボルー

茨城県水戸市の近代水道敷設に伴い、1932年に建設された土木遺産。那珂川上流で取水し、浄水場を経て市の高区、低区に1基ずつ設けた配水塔にポンプアップした後、地下配管で市街地へ分配した。

高区配水塔(現存せず)が簡素な鉄骨の櫓であったのに対し、低区配水塔はドームやバルコニー状の回廊など、ゴシック教会を思わせる凝った意匠を持つ。正面や窓周りのレリーフや入口上部の装飾、水戸名物の「梅」と「水」をかたどったエンブレムなど、細部も楽しい。

■インフラツーリズムの情報
場所は、JR水戸駅から北へ徒歩約10分。水戸城址にあたる旧県庁舎裏手の道路沿いに建つ。外観は自由に見学できるが、内部は非公開。近くには水戸城空堀や藩校の一部を保存した史跡・弘道館公園など見どころが多い。

高さ21.6m、直径11.2m。近代水道百選、登録有形文化財、土木学会選奨土木遺産。
【画像提供:水戸市(外観)】

投稿日時 2020-05-18 10:54:00

投稿:三上美絵