香川県 豊稔池堰堤-90年の幾星霜がインフラツーリズムにつながっている-

 豊稔池堰堤(ほうねんいけえんてい)は四国・香川県の西端、愛媛県境に近い三豊郡大野原町の山間に、灌漑農業用ため池としてひっそりと佇む。豊稔池が全国的にその名を知られているのは、日本におけるコンクリート築造技術がまだ日浅い時期(1926年着工)に、極めて珍しいマルティプルアーチダム型式で建設されたことに由来する。土木工学的には「多拱扶壁(たきょうふへき)式粗石モルタル積石堰堤」と呼ばれる。その威容からしばしば、ヨーロッパの古城にたとえられる。
 豊稔池ダムは、中央に5連の扶壁を持つことによって堰堤中央部の水圧を受ける堤体を支える形式となっている。扶壁には、豪雨時に洪水を安全に排除するためにサイフォン式の洪水吐(こうずいばき)が設置されており、満水に近づくと自動的に放水する仕組みとなっている。   
 毎年7月になると行われる大量の水を抜く「ゆるぬき」は、この地に夏の訪れを告げる。

【建設コンサルタンツ協会・日本の土木遺産 より抄録】
http://www.jcca.or.jp/dobokuisan/japan/shikoku/honen.html

投稿日時 2016-10-06 08:04:07

投稿:吉川研究室(東京都市大学)

関連情報