稲荷川砂防堰堤群(その1)
(国土交通省関東地方整備局 日光砂防事務所)

稲荷川砂防堰堤群(栃木県日光市)
【提供資料に基づき記述】
 稲荷川の水源部に位置する女峰山および赤薙山は、溶岩や火山灰が固まってできたもろい岩でできているため、崩壊と浸食が著しい山体である。特に、「大鹿落し」と呼ばれる崩壊地では、豪雨に伴い流出した土砂は土石流となり、下流に位置する日光の町をたびたび襲っていた。
 大正7年から国の直轄事業による施工が行われるようになり、大正8年には城壁にも用いられた空石積堰堤として竣工したが、わずか2か月で流出してしまう。その後はこの教訓を生かし粗石コンクリートが使用されるようになり、大正9年の大出水に対し絶大な効果を発揮し、昭和初期までの間に多くの堰堤が施工された。
 この粗石コンクリートによる堰堤は当時としては画期的な土木技術であり、今もなおその機能を維持し続けており、現在では国の登録有形文化財として11個の堰堤が登録されている。
【資料・画像提供:国土交通省関東地方整備局 日光砂防事務所】
【関連HP 日光と砂防を知る】
https://www.ktr.mlit.go.jp/nikko/nikko00038.html

投稿日時 2015-06-02 22:27:00

投稿:新倉大輔, 吉川弘道