100年コンクリート
小樽港北防波堤(北海道)

 小樽港北防波堤は廣井勇博士の指揮・監修によって建造された日本初の本格的なコンクリート製外洋防波堤である.当時、最先端の技術であったスローピングブロックシステム(方塊傾斜積工法)が採用された(ブロックを斜めに積むことで隣接するブロック面に支持力が発生し安定する).
 海中での使用に耐えるコンクリートの配合や工法についての研究もなされ、ブロックには火山灰を混ぜた火山灰混用高強度コンクリートが使用されている.コンクリートの耐久性試験は現在も続けられており、“100年耐久試験”として貴重なデータを残している.2000年に土木学会の選奨土木遺産に指定された.

所在地:北海道小樽市
工期:1897年~1908年(一期)
全長:1,289m、水深:14.4m、全幅:7.3m
写真1:北防波堤全景、写真2:斜めに積まれたコンクリートブロック(ともに筆者撮影)

【国土技術研究センター 歴史と技術の資料館】
http://www.jice.or.jp/jishu/kokudo/200806160/product/010.html

投稿日時 2014-01-29 11:12:00

投稿:石瀬 弘樹(計画マネジメント中村研究室)