旧音海橋~メラン式方杖橋脚の残る橋~ (京都府)

☆旧音海橋~メラン式方杖橋脚の残る橋~ (京都府)
場所は南丹市美山町の音海谷川と由良川の合流部。
大野ダム建設に伴い水没する為、1959年(昭和34年)に新橋が架設され、廃止となった旧橋の橋脚と推測。欠損部の構造や架設年月等、詳細は不明です。

コンクリートは所々剥落し、アングルと思しき鉄骨2列とそれらを結ぶタイプレートやレーシングも確認できます。
鉄骨をコンクリートで巻くメラン式は、熊本県の姫井橋を始め、アーチ橋で多用されたイメージを持ちがちですが、戦前は単に鉄筋コンクリートの一種との位置づけだったようです。本橋に於いても、現在は土砂が堆積していますが、支保工の設置が困難な程谷が深かった等の理由でメラン式を採用したのかもしれません。

洪水期以外は水没している事も多く、夏場にだけ顔を出す謎めいた遺構。同じ京都府に残るメラン式の廃橋『二ノ瀬橋』と共に、その歴史を今に伝えています。

参考文献
「わが国における第二次世界大戦以前のコンクリートアーチ道路橋の変遷」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/journalhs2004/24/0/24_0_75/_pdf/-char/ja

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投稿日時 2021-10-12 12:09:00

投稿:伊藤 純