「重要文化財」八ツ沢発電所施設(山梨県 大月市)

 東京電力㈱八ツ沢発電所は、相模川水系の桂川の水を利用した、日本で初めての大規模な調整池式発電所で、東京電力㈱の前身である東京電灯㈱が建設したものです。建設当時は、水力発電所として東洋一の規模を誇り、明治45年に営業運転を開始して以来、約1世紀近くが経過し、現在も稼動しております。
 重要文化財に指定されたものは、取水口施設、隧道、水路橋(谷間などに水路を渡すための橋)、調整池をはじめとする合計20箇所の発電所関連施設と約14kmの範囲の土地で、国内の重要文化財で最大規模です。
 一枚目の写真は、相模川から取水した水が桂川を横断し、発電所まで導く鉄筋コンクリート造の水路橋(勾配1/1200)です。二枚目の写真は、施工当時(明治44年5月着工)の貴重な資料で、アーチ部の構築を支える拱架(仮設)の上で、鉄筋組立、コンクリート打設作業が行われていたと考えられ、トラス状に組み立てた鉄筋をコンクリートで巻き立てるメラン式が採用されています。
【写真出展】神原 信一郎「鉄筋混凝土造猿橋水道橋工事報告書」『土木学会誌』創刊号、1915年、88‐89頁

投稿日時 2017-07-27 10:28:00

投稿:宮崎 寿夫