今も残る大正期の花貫川第一発電所第3号水路橋(めがね橋)

花貫川第一発電所は、大正元年に設立された多賀電気株式会社の石炭火力発電の事業拡張に伴い、花貫川の水力を利用する水力発電所として大正7年に設置された。取水口を二級河川花貫川の鳥曽根に、水路は山腹を掘り抜き導水され、名馬里沢を渡る部分に第三号水路橋が大正8年に建設された。導水全延長は2.2kmである。
花貫川第一発電所第3号水路橋は、沢の河床から約15mの石積み橋脚に鉄筋コンクリート製の2連のアーチが架けられ、上部の水路には毎秒1.1m3の発電用水が流れている。
これが眼鏡のように見えることから「めがね橋」と呼ばれており、現在も現役で使用されている高萩市の貴重な近代化遺産である。
また、スパンドル部分には、コンクリート製の直材が導入され、我が国の橋梁分野におけるRC導入初期の造形がうかがえる。
名  称:花貫川第一発電所第3号水路橋(めがね橋)
所  在:高萩市秋山字板木2989
所 有 者:東京発電株式会社
建築年代:大正7年
施  工:鹿島建設株式会社

施設の諸元
鉄筋コンクリート造り二連アーチ橋
橋長:77m
高さ:22m
水路幅:2.0m
水路深さ:1.5m
流量毎秒:1.1m3
国の登録有形文化財(建造物)平成11年登録
土木学会 選奨土木遺産 平成24年度認定
【写真提供:小堀俊秀氏】
【参考】
○土木学会関東支部ホームページ
https://www.jsce.or.jp/branch/kanto/04_isan/h24/h24_8.html
○茨城県教育委員会ホームページ
https://www.edu.pref.ibaraki.jp/board/bunkazai/touroku/t-11.html
○鹿島建設株式会社ホームページ
https://www.kajima.co.jp/gallery/kiseki/kiseki20/index-j.html

投稿日時 2018-12-01 18:23:00

投稿:佐藤祐明